「うんちが出ない」お悩みに。お家でのケアと受診の目安
こんにちは、アクアキッズクリニック東池袋院です。
この冬の小児科で増えてくるご相談のひとつが「便秘」です。
「何日もうんちが出ていない」「トイレに行くのを嫌がる」「お腹が張って苦しそう」……こうしたお悩みで受診される方は多くいらっしゃいます。
実は、便秘は乳幼児から学童期までよくあるお悩みですが、決して放っておいてよいものではありません。
今回は、冬の時期に起こりやすい子どもの便秘について、そのメカニズムや対策、治療について詳しくお伝えします。
「便秘症」とは
便秘症のお子さんは、便をするときに非常に強い痛みを感じたり、苦しんだりしています。
これを「たかが便秘」と放置してしまうのは禁物です。
便秘症は、適切に治療を行わないと「悪循環」を繰り返してどんどんひどくなります。
重症化すると、腸が異常に膨らんでしまう「巨大結腸症」や、溜まった便の隙間から柔らかい便が漏れ出し、おもらしが続いてしまう「遺糞症(いふんしょう)」という状態を招くこともあります。
さらに、幼少期からの排便習慣がしっかり身についていないことは、お子さんの精神面にも悪影響を及ぼすとされています。
便秘による慢性的な不快感や腹痛は、イライラや多動、学習障害の原因になったり、ひどい場合には家庭内暴力に発展したりすることさえあります。
実際に、便秘症をしっかり治療することで、それまで「落ち着きがない」と言われていた子が、驚くほど穏やかになり、集中して物事に取り組めるようになることもあります。
お子さんの健やかな心身の成長のために、早期に「便秘症」という診断を受け、適切な治療を始めることが大切なのです。
便秘とは、便が長時間出ない、または出にくい状態を指します。
一般的に「週に3回より少ない」、あるいは「5日以上出ない日が続く」場合は便秘と考えられます。
しかし、回数だけが基準ではありません。
- 毎日出ていても、出すときに痛がって泣く。
- 肛門が切れて血が出る(切れ痔)。
- 腸に便が溜まりすぎ、少量の便が頻繁に漏れ出る。
- 小さいコロコロの便や、柔らかい便が少しずつ1日に何度も出る。
こうした「治療が必要な状態」を便秘症と呼び、それが1〜2ヶ月以上続くと「慢性便秘症」となります。
子どもは、離乳の開始・完了期、トイレトレーニング期、入学などで環境が変わる時期に慢性便秘症が始まりやすいと言われています。
便秘の悪循環
便秘症が放置されると悪化しやすいのには、2つの明確な理由があります。
①痛みによる「我慢」のサイクル
硬い便を出して肛門が切れたり痛い思いをしたりすると、2〜3歳の子どもは次の排便を我慢しようとしてしまいます。
便は我慢するほど大腸に水分を吸収されて硬くなり、次に出すときにさらに激しい痛みを伴います。
すると子どもはますます便を我慢するようになり、悪循環に陥ります。
②腸の感覚の麻痺
我慢が続くと、常に直腸に便がある状態になり、腸がだんだん鈍感になってしまいます。
通常なら便が溜まると「便意」が生じますが、それが起こりにくくなる結果、さらに便が長く腸に留まって硬くなっていく……という二重の悪循環が起こるのです。
自分の意志で肛門を締めて便を我慢できるようになるのは1〜2歳頃からです。
年長になれば「出さなくてはいけない」と理屈でわかりますが、その中間の2〜5歳の幼児期は特にこの悪循環に陥りやすいため、大人のサポートが必要です。
お家でできる便秘対策
生活改善や治療によって便を柔らかく保ち、子どもが「便をするとスッキリする=快便感」を体験できれば、この悪循環を断ち切ることができます。
①規則正しい生活と朝ごはん
朝ごはんを食べることは、健康な体づくりはもちろん、腸の動きを活性化させます。
早寝早起きをして、余裕を持って起床し、朝食後にトイレへ行く習慣を作りましょう。
②食事の工夫(乳酸菌と食物繊維)
便が硬いと感じたら、リンゴ、ゴボウ、キノコ、昆布など、食物繊維を多く含む食材を積極的に取り入れましょう。
③適度な運動と水分補給
体を動かすことは腸の運動を助けます。
戸外遊びなどで適度に運動し、そのあとは水分もしっかり摂取しましょう。
④「排便日誌」のススメ
回数、時間、硬さ、その時の様子を記録する「排便日誌」は、治療の大きな助けになります。
クリニックでも日誌を用意していますので、ぜひご活用ください。
赤ちゃんの便秘対策:綿棒刺激
1歳未満の赤ちゃんは腹筋が未熟で、上手にいきむことができません。
便が出にくそうなときは、ワセリンを塗った綿棒を肛門から1〜2cmほど優しく挿入して刺激する「綿棒刺激(綿棒浣腸)」がおすすめです。
優しく丁寧に行えば、毎日やることも可能です。
薬剤療法
生活改善だけで改善が見られない場合は、医師の診断のもと、お薬を使用します。
- 内服薬: 浸透圧性下剤(モビコール、酸化マグネシウムなど)、刺激性下剤(ラキソベロン、プルセニドなど)
- 外用薬: 浣腸、座薬
「ブリストル・スケール4〜5(バナナ状の便)」を目指してお薬の量を調整します。
最も大切なのは、「良くなってもすぐに薬をやめないこと」です。
自己判断で中止すると再発する可能性が非常に高いため、通常は6ヶ月から2〜3年は続けることになります。
長期管理になりますが、医師の指示をうけながらあわてずに減量していきましょう。
さいごに
子どもの便秘を防ぐには、「うんちをすることは気持ちいい、楽しいこと」だと教えてあげることが大切です。幼少期に正しい排便習慣を身につけることは、大人になってからの健康にもつながります。
少しでも気になることや不安なことがあれば、アクアキッズクリニック東池袋院へ何でもご相談ください。
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