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「咳止めをください」の前に知ってほしい、薬の意外な真実

[2026.01.25]

こんにちは、アクアキッズクリニック東池袋院です。

今回は風邪の時、よく目にする咳止めについてお話ししていきたいと思います。

「咳がひどいので、咳止めをください」

と思ったことありますよね?

咳止めって本当に効くの?

この疑問にわかりやすく答えていきたいと思います。

まずは咳止めと言われている、デキストロメトルファン(アスベリン®、メジコン®)について効果があるのかについて解説します。

①咳止めは大きく分けて2種類ある

1️⃣ 脳に働いて咳を止めようとする薬 中枢性鎮咳薬(ちゅうすうせいちんがいやく):コデインなど
2️⃣ 痰を出しやすくしたり、気管支を広げたりする薬 末梢性鎮咳薬(まっしょうせいちんがいやく):デキストロメトルファン、チペピジンなど

1️⃣ の薬は強い副作用(依存性、呼吸抑制、便秘、口渇など)が発生し、米国で呼吸抑制による死亡例が相次いで報告されたので、2011年にはWHOで小児に使用しないように勧告が出されました。

2013年には、欧州やカナダでも小児には原則処方禁止となり、日本でも小児には処方しなくなりました。

出典:Joseph D Tobias, et al. Pediatrics. 2016;138:e200162396. PMID:27647717

今回は、2️⃣の薬のお話をしたいと思います。

②咳止め(末梢性鎮咳薬)とは?

デキストロメトルファンやチペピジンという成分であり、病院で出される薬では、

  • アスベリン®
  • メジコン®

という名前で処方されています。

ドラッグストアで購入できる風邪薬シロップにも同様の成分が入っていることが多いです。

咳止めの効果についてですが、

結論から言うと ”小児の風邪に対して咳止めは効果があるとは言えない”と言えるでしょう。

③咳はよくなるの?

いろいろな国で、小児を対象にした研究が行われました。

👉 咳止め(デキストロメトルファン) vs プラセボの薬(何も入っていない薬)

どの研究でも結果は 咳のよくなり方はほとんど同じ

つまり、

「薬を飲んだから良くなったわけではなさそう」ということです。

同様の結果で、アメリカ、フィンランド、インドなど多くの国での研究があります。

出典:Paul IM, et al. Pediatrics. 2004;114:e85-e90. PMID:15231978、Korppi M, et al. Acta Paediatr Scand.1991;80:969-971. PMID:1755308、Bhattacharya M, et al. Indian J Pediatr. 2013;80:891-895. PMID:23592248

 

さらに、咳止め(デキストロメトルファン)には、こんな副作用があります。

  • 眠くなる
  • めまい
  • 腹痛

頻度は低いですが、薬なので体に負担がかかることがあるということです。

出典:Food and Drug Administration.Updated date:2025-08-08

ただし、2023年の論文で6-11歳の小児に自己申告で咳止めの効果があったか比較をし、日中の咳に対しては咳止め(デキストロメトルファン)を使用した方が効果があったという研究がありますが、夜間の咳や睡眠の状態には差がなかったようなので、効果は限局的と思われます。

出典:Suzanne G Meeves, et al.Pediatr Pulmonol. 2023 Aug;58(8):2229-2239.PMID:37232330

④チペピジン(アスベリン®)との比較では?

2018年日本での研究で

👉 カルボシステイン単独 vs カルボシステイン+チペピジン

結果は チペピジンの方が咳がよくなったという回答が少なく、改善も良くなかったという結果でした。

デキストロメトルファンと同じく効果は臨床的にはあまりないようです。

出典:西村龍夫他. 外来小児科 vol22.No.2.2019.124-132. 

⑤はちみつとの比較では?

アメリカの研究で、

👉 はちみつ vs 咳止め(デキストロメトルファン) vs プラセボの薬(何も入っていない薬)

結果は はちみつ > 咳止め(デキストロメトルファン) > プラセボの薬(何も入っていない薬)

なんと、

「咳止めより、はちみつのほうが咳に効果があった。」

出典:Paul IM, et al. Arch Pediatr Adolesc Med. 2007;161:1140-1146. PMID:18056558、Olabisi Oduwole, et al. Cochrane Database Syst Rev.2018 Apr 10;4(4):CD007094.PMID:29633783

⑥まとめ

子どもの風邪では

咳止めは、効果は限局的なのに、副作用のリスクは背負ってしまう可能性がある

と考えられています。

咳が出るときのおすすめ対処法

  • 無理に咳止めを使わない
  • 水分をとる
  • しっかり休む
  • はちみつを使用してみる(1歳以上で使用を)
  • 加湿をする(効果は限局的だけど副作用が少ない)
  • 鼻吸いをする(直接的な効果は限定的だけど安全性が高い)

どのような治療が良いか悩んだときには、

いつでもアクアキッズクリニック東池袋院へ来てください。

最適な治療法をお教えします。

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