子どもの風邪の咳に「はちみつ」は効く?〜薬と比べて、研究でわかったはちみつの効果〜
こんにちは、アクアキッズクリニック東池袋院です。
夜になると、子どもの咳が止まらない。ゴホゴホ咳き込んで、本人もつらそうだし、見守る親も眠れない……。
以前のブログで、「咳止めをください」の前に知ってほしい、薬の意外な真実や風邪に対する抗ヒスタミンの有用性の話をしました。
では、実際に子どもの風邪の咳にはどうしたら良いのか。
記事の中でも少しだけ触れている「はちみつ」の効果について今回は詳しくお話したいと思います。
実はこのテーマ、世界中の研究者が本気で調べてきた分野でもあります。
結論から言うと、「1歳以上の子どもであれば、はちみつは“夜の咳”をやわらげる有力な選択肢」です。しかもこれは、経験談ではなく科学的な研究結果に基づいています。
いくつか有名な研究を紹介しながら説明していきます。
1.はちみつは世界でも認められている治療法です
はちみつというと、「甘いシロップというイメージだけど、本当に効果があるの?」と思われるかもしれません。
ですが実際には、
- WHO(世界保健機関)
- アメリカ小児科学会(AAP)
といった世界的な医療機関も、1歳以上の子どもの咳に対する家庭ケアとして、はちみつを認めています。
有名な研究①:はちみつ vs 咳止め薬
Pediatrics誌(2012年)の研究
小児科ではとても有名な研究雑誌「Pediatrics」に、次の研究が発表されました。
- 対象:風邪などの上気道感染症で咳をしている1〜5歳の子ども300人
- 方法:寝る前に
- ユーカリ科はちみつ
- シトラス科はちみつ
- シソ科はちみつ
- 比較用:ナツメヤシシロップ (デーツシロップ)を 10g(ティースプーン1杯)摂取
- 評価したこと:夜の咳の回数・つらさ・子どもと親の睡眠の質
結果は?
- はちみつを摂った子どもは、夜の咳が明らかに減少
- 咳の重さも軽くなった
- 親の睡眠障害も改善
ナツメヤシシロップもはちみつに見た目が似てとろっとしており、喉の保護ができるように思われるかもしれませんが、「甘くてとろっとしている」普通のシロップより、はちみつの方が効果が高かったという結果が出ていることが重要です。
これは、はちみつに「甘さや粘度以上の“薬理的な働き”がある」ことを示しています。
参考:Herman Avner Cohen. Pediatrics. 2012 Sep;130(3):465-71.PMID 22869830.
有名な研究②:はちみつの効果について色々な論文のまとめ
Cochraneレビュー(2018年)の結論
このレビューでは、
- 899人の子ども
- 6つのランダム化比較試験
を分析しました。対象年齢は1歳〜18歳です。
- ✔ はちみつは、プラセボ(何も入っていない薬)より明らかに咳を減らす効果がある
- ✔ 抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン)よりも効果的な可能性がある
- ✔ 特に「最初の数日間の夜の咳」に強い
つまり、「はちみつは、子どもの急な咳に対して、頼れる治療法である」ということがわかります。
薬の内服をすると副作用が心配になりますが、「安全性が高く、一定の効果が期待できる“はちみつ”」は、とても現実的な選択肢になります。
参考:Olabisi Oduwole. Cochrane Database Syst Rev. 2018 Apr 10;4(4):CD007094.PMID 29633783.
2.どうしてはちみつは咳に効くの?
理由は主に3つです。
① 喉をコーティングする
とろっとしたはちみつが、乾燥して荒れた喉をやさしく守ります。
② 甘みが咳反射を落ち着かせる
強い甘さが、脳の「咳のスイッチ」を穏やかにする可能性があります。
③ 抗菌・抗炎症作用
はちみつには、自然の抗菌成分が含まれています。
参考:Ronald Eccles.Respir Physiol Neurobiol. 2006 Jul 28;152(3):340-8.PMID 16326149
3.はちみつはどういう方法であげたらいいの?
- 対象:1歳以上(乳児は乳児ボツリヌス症の危険あり!)
- 量:ティースプーン1杯(約10g)
- タイミング:寝る前がおすすめ
そのまま舐めるか、人肌くらいのぬるま湯に溶かすのがおすすめです。少量のレモン汁を入れてはちみつレモン水にして飲むのもおすすめです。
※60℃以上の熱湯ははちみつ自体の抗菌作用や酵素成分が壊れてしまうので、ぬるま湯がおすすめです。
4.1歳未満の赤ちゃんには絶対NG
理由は「乳児ボツリヌス症」という、命に関わることもある病気のリスクがあるためです。
- 少量でもNG
- 加熱してもNG:ボツリヌス菌は加熱で死滅しません。
- はちみつ入り食品もNG
1歳未満の乳児がいるご家庭では、絶対にあげないようにしてください。
5.まとめ:夜の咳に困ったら、はちみつという選択肢を
- はちみつは、科学的根拠のある咳の症状を緩和する治療法
- 特に「夜の咳」「最初の数日」に効果が期待できる
- ただし1歳未満は絶対NG
子どもの夜の咳に対する治療は、咳止めを内服しても効果は限定的であることが多いです。そんなとき、「安全で効果が期待できるひとつの選択肢」として、就寝前のティースプーン1杯のはちみつを思い出してください。
もちろん、
- 咳が長引く
- 息が苦しそう
- 元気がない
というときは、迷わず医療機関へ相談してくださいね。
アクアキッズクリニック東池袋院もはちみつを処方することもできるので、詳しく説明を聞いてみたいという方も是非ご相談を!!
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