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溶連菌の薬、途中でやめるとどうなる?合併症のリスクと「飲み切る」本当の理由

[2026.02.15]

こんにちは、アクアキッズクリニック東池袋院です。

保育園や学校の掲示板に「溶連菌が流行っています」というお知らせを見かけると、「うちの子は大丈夫かな?」と、ちょっぴりドキッとしてしまいますよね。

「喉が痛くなる風邪かな?」と思われがちですが、実は溶連菌は、普通の風邪(ウイルスの感染)とは違って「細菌」が原因で起こる病気です。

そのため、しっかり検査をしてお薬を飲むこと、そして何より「よくなった後の見守り」がとても大切になります。

今回は、溶連菌の正体や、意外と知られていない「お薬と合併症のホントの関係」について、お話ししていきます。

1.溶連菌ってどんな病気?

正式には「A群β溶血性連鎖球菌」というバイ菌が、喉に感染して起こります。

主な症状には、以下のような特徴があります。

  • 喉の痛み(唾を飲み込むのも辛い)
  • 咽頭の発赤
  • 発熱
  • イチゴ舌(舌が赤くブツブツになる)
  • 首のリンパの腫れ
  • 身体の発疹

2.実は「持っているだけ」の子もいる?(保菌率のお話)

ここで少し専門的なお話をします。

実は、喉が痛くなくても溶連菌を喉に持っているお子さんは意外と多いのです。

これを医学用語で「保菌」と呼びます。

研究データ(※)によると、健康で元気なお子さんの約15%〜20%、つまり5人〜7人に1人は、症状がなくても喉に溶連菌を持っていると言われています。

「えっ、バイ菌がいるなら除菌しなきゃいけないの?」と思うかもしれませんが、実は症状がない「保菌状態」であれば、基本的に周りにうつすリスクは低く、本人への合併症のリスクもほとんどないと考えられています。

そのため当院では、「ただ菌がいるかどうか」を調べるのではなく、今の症状(喉の腫れ具合や熱の出方)が本当に溶連菌によるものなのかを、医師の経験と専門知識でしっかり見極めてから検査を行うようにしています。

これは、お子さんに必要のない抗菌薬を飲ませない(耐性菌を作らない)ためでもあるんですよ。

気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言(改訂版)

3.検査は「一瞬」で終わります

当院では、医師の判断で必要となった場合、喉に溶連菌がいるかどうかを調べる「迅速検査」を行っています。

専用の柔らかい綿棒で喉の奥をチョンチョンとぬぐうだけの検査で、10分ほどで結果が出ます。

抗菌薬(抗生剤)を飲み切るのが「絶対」な理由

検査で陽性と出たら、抗菌薬を処方します。

抗菌薬を飲み始めると、2〜3日くらいで熱が下がり、喉の痛みも消えて元気になることが多いです。

ここで、多くの親御さんが「喉の痛みがなくなったから、もうお薬はやめてもいいよね」と悩まれます。

ですが、薬を途中でやめてしまうと、喉にわずかに生き残った菌が、後になってから体に大きなイタズラを仕掛けてくることがあります。それが「合併症」です。

4.合併症ってどんな病気?

合併症」と言われると、とても不安になりますよね。

具体的にどのようなことが体に起きるのか、代表的な2つの病気をご説明します。

◆リウマチ熱(心臓や関節の病気)

溶連菌を放っておいたり、薬を途中でやめたりすると、体の中で免疫がパニックを起こし、自分の体を攻撃し始めてしまうことがあります。

  • 症状: 膝や肘などの大きな関節が入れ替わるように腫れて痛んだり、心臓の筋肉や弁に炎症が起きたりします。放っておくと将来的に心臓のポンプ機能が弱まってしまうリスクがあります。
  • 予防: この病気は、抗菌薬を最後までしっかり飲み切って菌を完全に追い出せば、ほとんどの場合予防することができます

◆急性糸球体腎炎(腎臓の病気)

喉の痛みが治まってから、1〜3週間ほど経った頃に起こることがある腎臓の炎症です。

腎臓の中にある「糸球体」という、血液をきれいにするフィルターが詰まってしまいます。

  • 症状: おしっこが「コーラのような色(血尿)」になったり、朝起きたときに「まぶたや顔がパンパンにむくんだり」します。
  • 予防: 実はこの腎炎に関しては、「たとえ抗菌薬を正しく飲んでいても、防げない場合がある」ことが医学的に分かっています。

「えっ、薬を飲んでもダメなの?」と驚かれるかもしれません。

この腎炎は、菌そのものが暴れるのではなく、菌が入ってきた直後に体が起こす「免疫反応」の結果として起こります。

いわば、菌が入った瞬間に「腎炎スイッチ」が押されてしまうようなイメージです。

そのため、後から薬で菌を退治しても、スイッチが入ってしまった反応を完全に止めることは難しいのです。

5.だからこそ「その後のチェック」が大切です

「薬を飲んでも腎炎が防げないなら、どうすればいいの?」と思いますよね。

大切なのは、「もし合併症が起きても、早く見つけて対処すること」です。

溶連菌が治ってから1〜3週間後、以下のサインがないか注意して見てあげてください。

  • おしっこの色がコーラ色や赤ワイン色(血尿)になっている
  • 朝起きたとき、まぶたや顔がひどくむくんでいる
  • おしっこの回数や量が極端に減った

6.さいごに

溶連菌は、しっかり向き合えば決して怖い病気ではありません。

  • 出された抗菌薬は、元気になっても最後まで飲み切ること!(リウマチ熱を防ぐため)
  • 治ったあとも、数週間はおしっこの色や顔のむくみに気をつけること!(腎炎を早く見つけるため)

「今日のおしっこの色、ちょっと変かも?」「薬を飲み終わったけど、まだ心配……」そんなときは、迷わずアクアキッズクリニック東池袋院へお越しください。

私たちは、今の喉の痛みを取り除くことはもちろん、数週間後の安心まで、ご家族と一緒に歩んでいきたいと考えています。

大切なお子さまの健康を、一緒に守っていきましょう!

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