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胃腸炎のミカタ〜家での過ごし方と、家族が全滅しないためにできること〜

[2026.02.12]

こんにちは、アクアキッズクリニック東池袋院です。

「子どもが治ったと思ったら、次は親…」

感染力の強い胃腸炎では、そんな経験をしたご家庭も少なくありません。

特に冬になると、ノロウイルスロタウイルスといった感染性胃腸炎が猛威を振るいます。

「なぜ、寒い時期にばかり流行るの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。

実はこれらのウイルスたちは「寒くて乾燥した環境」が大好きなのです。

夏場に多い細菌性の食中毒とは違い、冬のウイルスは低温でも長く生き残り、空気中を漂って驚くほどの感染力で広がります。

今回は

  • 胃腸炎の基礎知識
  • 家での過ごし方
  • どんな薬を使うのか
  • 再受診の目安
  • 家族が全滅しないためにできること

をまとめました。

胃腸炎の正しいホームケアと受診の目安を知っていただき、ご家族の看病の負担を減らすヒントになるよう解説いたします。

1.胃腸炎の基礎知識

小児の胃腸炎の多くはウイルス性です。

自然に治る病気であり、細菌を退治する抗菌薬(抗生物質)は通常必要ありません。

症状の経過の目安

  • 嘔吐:2〜3日程度でおさまります
  • 下痢:1〜2週間ほど続くことがあります
  • 腹痛:おへその周りが軽く痛むことが多いです

※ 下痢が長引いても、元気や食欲が少しずつ戻っていれば心配ないことが多いです。

2.家での過ごし方は?

一番大事なのは脱水予防

嘔吐があると、無理に飲ませることでさらに吐いてしまい、かえって脱水が進むことがあります。

胃腸を休めながら、少しずつ水分をとることが重要です。

とる水分

  • 経口補水液(OS-1、アクアライトなど)
  • リンゴジュース(薄めて使うのがおすすめ)

飲み方(推奨方法)

※ 米国病予防管理センターの考え方をもとにしています。

  • 嘔吐直後は吐きやすいため、約1時間あけてから開始します。
体重10kg未満の場合
  • 最初:5分おきに5mL
  • 吐かなければ:5分おきに10mLまで増量
  • 3時間で合計約300mLを目標にしましょう
体重10kg以上の場合
  • 最初:5分おきに5mL
  • 吐かなければ:10mL → 15mL → 20mLと段階的に増量
  • 3時間で合計約600mLを目標にしましょう

この方法で水分がとれることを確認できたら、おかゆ・うどんなど消化の良い食事を少量ずつ再開します。

3.どんな薬を使うの?

整腸剤

腸内細菌のバランスを整える薬です。

下痢の期間を1〜2日程度短縮するという報告があります。

エビデンス

  • 乳酸菌・酪酸菌など一部のプロバイオティクスで急性胃腸炎の下痢期間短縮が示されています(ESPGHAN 2014 / Cochrane Review)

吐き気止め(プリンペランなど)

飲水開始がうまくいく確率をわずかに上げるという報告はあります。

ただし、小児への routine 使用は推奨されていません。

長期使用や反復使用により

  • 目や首が勝手に動く
  • そわそわして落ち着かなくなる

といった錐体外路症状が出ることがあります。

エビデンス

  • メトクロプラミドは有効性より副作用リスクが問題になるため、小児ガイドラインでは慎重使用とされています(ESPGHAN / AAP)

五苓散

体の中の水分バランスを整え、吐き気を和らげる漢方です。

嘔吐回数を減らしたという国内報告はありますが、効果には個人差があり、必ずしも必要な薬ではありません。

エビデンス

  • 小規模RCT・観察研究レベル
  • 標準治療(ORT)の代替にはなりません

4.再受診の目安

次のような場合は、再度医療機関を受診してください。

  • 水分がほとんどとれない
  • おしっこの量が明らかに減っている(半日以上出ていない)
  • 血便が出る
  • お腹を強く痛がる
  • 呼びかけへの反応が悪い、ぐったりしている

5.登園・登校の目安

  • 嘔吐が24時間みられない
  • 食事や水分を普段通りとれる

6.家族が全滅しないためにできること

消毒のポイント

胃腸炎ウイルス(特にノロウイルス)はアルコール消毒が効きにくいのが特徴です。

塩素系消毒液を使用しましょう。

消毒液の作り方

水500mL + 塩素系漂白剤(ハイター・ミルトンなど)キャップ2杯

嘔吐物の処理

  • 手袋を着用
  • 嘔吐物をペーパーなどで覆う
  • その後、塩素系消毒液をふりかけ、しっかり拭く
  • 換気をする

ウイルスが付きやすい場所

  • ドアノブ
  • テーブル
  • リモコン
  • 手すり

これらも塩素系消毒液で拭き取りましょう。

衣類の扱い

  • 汚れがない場合:洗濯機で通常洗濯でOK
  • 汚れがある場合
    • 白いもの:塩素系消毒液に30分浸す
    • 色物:85℃以上の熱湯に1分以上浸す
  • 捨てられるものは処分するのも選択肢です

感染しやすい期間

発症から約1週間は特に感染しやすいため、手洗い・消毒を続けましょう。

7.最後に

胃腸炎は感染力が強く、予防が大変な病気です。

家族全員で倒れてしまわないよう、できることを一つずつやっていきましょう

困ったときは、無理せず受診してください。

日曜日や祝日でもお待ちしております。

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