【予防接種のギモン】ワクチンに含まれる「水銀」は本当に大丈夫?
こんにちは、アクアキッズクリニック東池袋院です。
お子さまの予防接種スケジュールを進めていく中で、ふと「このワクチンにはどんな成分が入っているんだろう?」と気になったことはありませんか?
インターネットやSNSで検索をしていると、時折「ワクチンに含まれる水銀が体に悪い」という刺激的な情報を目にすることがあります。
大切なお子さまの体に入れるものですから、「水銀」という言葉を聞くだけでドキッとしてしまいますよね。
今回は、ワクチンに含まれる防腐剤「チメロサール」の正体と、よく混同されがちな「メチル水銀」との違いについてお話します。
そもそも「チメロサール」って何?
ワクチンの成分表などで見かけることがある「チメロサール」。
これは、水銀を含む化合物の一種です。 なぜそんなものがワクチンに入っているのかというと、その主な役割は「防腐剤(殺菌剤)」です。
インフルエンザワクチンのように、1つの容器に数回分の薬剤が入っているタイプ(多人数分用)の場合、注射針を刺す際に空気中の細菌などが入り込んでしまう可能性があります。
もし細菌が薬剤の中で増殖してしまうと大変危険です。
それを防ぐために、ごく微量のチメロサールが加えられ、ワクチンの安全性を守る「用心棒」のような役割を果たしているのです。
ここが最大のポイント!「エチル」と「メチル」は別物です
「水銀」と一口に言っても、実はいくつかの種類があり、種類によって体への影響は全く異なります。
ここで特に重要なのが、「メチル水銀」と「エチル水銀」の違いを正しく知ることです。
| メチル水銀 |
いわゆる水俣病の原因となったもので、自然界(特に魚など)に存在します。 メチル水銀は体の中に蓄積されやすく、体外へ排出されるまでに非常に長い時間がかかります。 大量に摂りすぎると神経に影響を与える可能性があるため、厚生労働省からも妊婦さんの魚の摂取量についてガイドラインが出されています。 |
|---|---|
| エチル水銀(チメロサール) |
チメロサールが体内で分解されてできるのが、この「エチル水銀」です。 名前は似ていますが、その性質は驚くほど違います。 エチル水銀は、メチル水銀に比べて「非常に速く体外に排出される」という大きな特徴を持っています。 |
- メチル水銀(魚など): 体から半分に減るまで約70日かかる。
- エチル水銀(ワクチン): 体から半分に減るまで約4〜7日以内。
数日から1週間程度で体の外へ出ていってしまうため、体の中に溜まって悪影響を及ぼす心配はありません。
「量」をわかりやすく例えると:お刺身1切れ分!?
「それでも微量の水銀を赤ちゃんに入れるのは不安……」と感じるかもしれません。
そこで、ワクチンに含まれる量(約2〜25μg)を、身近な食べ物と比較してみましょう。
私たちがよく食べるお刺身(1切れ約15g)に含まれる水銀量と比較すると、その少なさがよくわかります。
- ワクチン1回分の水銀量:約2 〜 25μg
- 本マグロの刺身1切れ:約15 〜 20μg
つまり、ワクチン1回分に含まれる水銀の最大量は、「マグロのお刺身をたった1〜2切れ食べたときに体に入る水銀の量」とほぼ同じ、あるいはそれ以下なのです。
しかも、先ほどお話しした通り、ワクチンの水銀(エチル水銀)はお刺身の水銀(メチル水銀)よりも10倍以上のスピードで体から排出されます。
「お刺身を1切れ食べたときよりも、ずっと速く体から消えてなくなるごくわずかな量」が、ワクチンの成分の正体なのです。
最近のワクチン事情:チメロサールフリーが主流です
ここまで安全性を解説してきましたが、現在の小児科ワクチンはさらに進化しています。
製薬会社でも「避けられるなら防腐剤も減らそう」という取り組みが進んでおり、現在、お子さまが受ける主要な定期接種ワクチンの多くは、そもそもチメロサールを含まない「チメロサールフリー」になっています。
| ほとんどの定期接種はフリー |
5種混合、4種混合、ヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルス、MR(麻疹・風疹)、水痘、日本脳炎、HPVなどは、現在その多くが製造工程でもチメロサールを使用していないか、最終製品では含まれていません。 これは、最近のワクチンが「1人分ずつの使い切りパック」になったため、保存剤を入れる必要がなくなったからです。 |
|---|---|
| 含まれる可能性があるのは? | 一部のインフルエンザワクチンなどで、1瓶に2人分入っているタイプには微量含まれることがありますが、前述の通りお刺身1切れ分程度の安全な量ですので、安心してお受けいただけます。 |
ワクチンに関する不安やお悩みは当院へ
「水銀」という言葉のイメージに惑わされて、本来守れるはずの病気からお子さまを守るチャンスを逃してしまうのは、とてももったいないことです。
チメロサールは、ワクチンの安全性を一時的に守り、役目が終わればすぐさま体の外へ出ていく安全な成分です。
世界保健機関(WHO)などの国際的な公的機関も、「ワクチンに含まれるチメロサールが健康被害を引き起こす証拠はない」という結論を繰り返し発表しています。
アクアキッズクリニック東池袋院では、疑問や不安にも、一つひとつ丁寧にお答えいたします。
ネットの情報を見て不安になったときは、お一人で悩まずにいつでもお声掛けください。
正しい情報をもとに、親御さんが納得して笑顔で予防接種を受けられるよう、全力でサポートさせていただきます。
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