メニュー

焦らなくて大丈夫。おねしょを一緒に考えましょう!

[2026.02.04]

こんにちは、アクアキッズクリニック東池袋院です。

「5歳を過ぎてもおねしょが続いているけれど、いつか自然に治るのかしら?」

「小学生になってもおねしょがあるのは、うちの子だけ?」 「宿泊行事が近いのに、どうしよう……」

小児科の診察室では、このようなご相談を毎日のように受けます。

おねしょ(夜尿症)は、お子さん本人のプライドに関わるだけでなく、お洗濯や布団干しなど、支えるご家族にとっても負担の大きい問題です。

今回は、夜尿症の定義から、病院での治療内容を解説したいと思います。

夜尿症(おねしょ)とは

赤ちゃんは昼夜を問わずおしっこを漏らしますが、成長とともに脳や神経、膀胱の機能が発達し、次第にコントロールができるようになります。

夜尿症の定義

日本夜尿症学会では、

「5歳以降で、1か月に1回以上のおねしょが3か月以上続いている場合」

を夜尿症と定義しています。

  • 5歳児: 約15%(約7人に1人)
  • 小学校低学年(7歳): 約10%
  • 小学校高学年(10歳):約5%
  • 中学生(15歳以上): 約1〜2%

この数字を見ていただくと分かる通り、小学生になってもおねしょが続くお子さんは決して珍しくありません。

クラスに3.5人は同じ悩みを持つ子がいる計算となります。

*単一症候性夜尿症の有病率を上記として1学級を35人として算出した場合

2.なぜおねしょは起こるのか?(3つの主な原因)

おねしょは「怠慢」や「育て方」のせいではありません。主に以下の3つの要素が複雑に絡み合って起こります。

夜尿症の主な原因

① 夜間多尿 人間には、寝ている間に尿の量を減らす「抗利尿ホルモン(バソプレシン)」というホルモンが分泌されます。一般的に夜間に多く分泌されますが、このホルモンの分泌が未熟だと、夜間に膀胱の容量を超える尿が作られて夜尿の原因となります。
② 膀胱容量の減少 膀胱が小さくて少しの尿で溢れてしまったりする状態です。また昼は貯められても夜になると貯められないという状態の人もいます。
③ 覚醒閾値の上昇 「おしっこがたまった」という信号が脳に送られても、眠りが深いために脳が反応できず、そのまま排尿に至ってしまいます。

これらのバランスは「成長のスピード」によって決まります。

背が伸びるのが早かったり遅かったりするように、おしっこのコントロールが整うスピードも一人ひとり異なるのです。

3.「単なるおねしょ」ではないケース(早期受診の目安)

ほとんどの夜尿症は成長とともに改善する「単一症候性夜尿」ですが、中には隠れた病気や要因が隠れている場合があります。

以下のようなサインがあるときは、早めに小児科を受診してください。

  • 昼間もおしっこを漏らす: 膀胱の神経や構造に問題がある可能性があります。
  • 尿の回数が極端: 1日4回未満(極端に少ない)、または8回以上(頻尿)は要注意です。
  • 便秘がひどい: 直腸に溜まった便が膀胱を圧迫し、夜尿を悪化させているケースが多々あります。
  • 急におねしょが始まった: 少なくとも6か月はおねしょがなかったのに再開した場合は、心理的なストレスや、糖尿病、尿崩症などの内分泌疾患が隠れていることがあります。
  • 多飲多尿: 常に喉が渇いていて、大量の水を飲み、大量の尿が出る。

4.病院で行う検査と治療のステップ

病院では、まずお子さんとご家族がどれくらい困っているか、これまでの経過はどうだったかを詳しく伺います。

生活指導

治療の土台となるのが「生活習慣の見直し」です。これだけでも改善することは少なくありません。

  • 水分摂取の調整: 午前中〜午後はしっかり水分を摂り、夕食後から就寝まではコップ1杯程度に控えます。
  • 塩分を控える: 夕食の塩分が多いと喉が渇き、おしっこの量も増えます。
  • 便秘の解消: 便秘を治すだけで、夜尿がピタッと止まる子もいます。
  • 排尿日誌の活用: 「出た・出ない」を記録することで、傾向が見えてきます。
  • 寝る前にトイレに行っているか: これを習慣化することも大切です。

これらは一例ですが、とても大切なことです。

ご家庭ごとの生活リズムを教えていただき、ご家庭ごとにも無理なく守れる範囲でお子さんに合わせた生活週間を一緒に考えていきましょう。

夜尿の有無や生活の注意点が守れたかを記録することは治療の助けとなります。

夜尿がなかった日が目に見えることで、お子さんの自信につながることもあるので、当院では排尿日誌をお渡ししております。

生活を整えた上で、尿検査や排尿日誌を活用して治療の方針を決めていきます。

薬による治療

生活指導で改善が不十分な場合、お薬を検討します。いくつか種類があります。

  1. 尿の量を調整する薬:体内で尿の量や水分を調整しているホルモンに似た成分を補い、尿量を減らします。
  2. 膀胱の収縮を抑える薬:膀胱の緊張をゆるめ、膀胱の収縮を抑えることで、尿を貯められるようにします。
  3. 体調を整える薬:漢方などで体調を整えることで、治療しやすい状態にします。

夜尿症の薬は年齢や症状に応じて使い分けたり、併用したりします。

薬の治療では、1の薬を使うことが多いですが、この薬を飲んでいる時に、寝る前にたくさん水分を取ってしまうと体の中に水分がたくさんたまりすぎてしまう低ナトリウム血症になる可能性があります。

そのため、生活指導をしっかり守っていただくことが大切です。

アラーム療法

パンツに小型のセンサーを付け、おしっこで濡れるとアラームが鳴る装置を使います。

夜尿を本人に気づかせ、徐々に膀胱の容量を増やしたり、おしっこが漏れる前に起きられるように訓練します。

アラーム療法は毎日実践する必要があるため、本人のモチベーションとご家族の協力が必要になります。

5.お父さん・お母さんに知っておいてほしい「心のケア」

夜尿症の治療で最も大切なのは、「お子さんの自尊心を守ること」です。

夜尿症のお子さんへの接し方:3つの“ない”

  1. 起こさない: 夜中に無理やりトイレに連れて行くと(尿意を感じたときはOK)、抗利尿ホルモンの分泌リズムを乱し、かえって治りを遅くするという説もあります。
  2. 怒らない: 叱られるストレスが原因でさらに悪化する悪循環も多いです。また、ご自身のことも責めないでください。
  3. 焦らない: ほかの子と比べず、約束が守れた時やおねしょがなかった日は褒めてあげてください。

できたことを褒める

「おねしょをしなかった日」を褒めるのはもちろんですが、それ以上に「寝る前の水分を我慢できたこと」「決まった時間にトイレに行ってから寝たこと」など、お子さんの努力(プロセス)を褒めてあげてください。

6.最後に:受診を迷っている方へ

夜尿症は、命に関わる病気ではありません。

しかし、お子さんが「自分はダメな子だ」と自信を失ってしまったり、ご家族が疲れ果ててしまったりするのであれば、それは立派な「治療すべき疾患」です。

当院では、お子さん一人ひとりの性格や生活習慣、そしてご家族の意向を尊重しながら、無理のないペースで伴走していきます。 「相談していいのかな?」と迷われたら、まずは一度アクアキッズクリニック東池袋院へご相談ください。

参考:おねしょの悩みいつまで内緒?監修:順天堂大学医学部付属浦安病院 西崎直人

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME