赤ちゃん時代の抗体は落ちてくる!なぜ就学前にまた予防接種?
こんにちは、アクアキッズクリニック東池袋院です。
春の気配が近づき、新生活を心待ちにされているご家庭も多いのではないでしょうか。
ランドセル選びや学用品の準備など、ワクワクする時期ですね。
しかし、入学準備の中で忘れてはならないのが「予防接種」です。
今回は、なぜ就学前のこの時期にワクチン接種が必要なのか、それぞれの疾患についてお伝えします。
1.なぜ「就学前」に接種が必要なの?
赤ちゃんの時にたくさん頑張った予防接種。
その効果は一生続くわけではありません。
成長とともに免疫(抗体)は少しずつ低下していきます。
特に集団生活が始まる小学校入学前は、感染症にさらされる機会が格段に増える時期です。
予防接種とは、「ワクチンを接種した方が病気にかかることを予防したり、人に感染させてしまうことで社会に病気がまん延してしまうのを防ぐことを主な目的としています。
また、病気にかかったとしても、ワクチンを接種していた方は重い症状になることを防げる場合があります。」
厚生労働省からもこのように記載されているように、ワクチン接種は本人の症状軽減や重症化のリスクを抑えるだけでなく、周囲に広めることを防ぐ重要な役割もあります。
2.「定期接種と任意接種の違い」
| 定期接種 | 予防接種法に基づき、特定の病気のまん延防止を目的に、対象年齢や期間を定めて市区町村が主体となって実施する予防接種です。公費(国や自治体)が費用を負担します。 |
|---|---|
| 任意接種 | 「予防接種法」では規定されていないためワクチン接種には費用が発生します。定期接種以外は打たなくてよい、なんてことはなく任意接種のワクチンこそ注意深く意識してあげてください。 |
就学前(5-6歳;年長児)のお子さんは
定期接種の『MR(麻しん風しん)ワクチン2期』と任意接種の『DPT(三種混合)』『おたふく』の同時接種を、
11-12歳のお子さんは
定期接種である2種混合(DT)に百日咳を追加した『DPT(三種混合)』接種への変更をお勧めします。
3.接種すべきワクチンと、予防する疾患の解説
① 麻しん・風しん混合(MR)第2期
1歳で打った「MRワクチン」の追加接種です。
これらは1回の接種だけでは十分な免疫がつかない子が数%存在し、また時間の経過とともに免疫が弱まるため、2回目の接種が不可欠です。
- 麻しん(はしか): 感染力が非常に強く、空気感染します。高熱、発疹、咳が続き、脳炎や肺炎を合併して命に関わることもある恐ろしい疾患です。
- 風しん(三日ばしか): 発疹や発熱が主な症状ですが、妊婦さんにうつしてしまうと、生まれてくる赤ちゃんの目や心臓に障害(先天性風疹症候群)が出る可能性があります。
② おたふくかぜ(ムンプス)第2期(任意接種)
おたふくかぜは「耳の下が腫れるだけ」ではなく、医療的には非常に警戒が必要な疾患です。
現在、定期接種ではなく任意接種ですが、小学校での集団感染を防ぐためにも、2回目の接種が強く推奨されています。
- ムンプス難聴: おたふくかぜの合併症として、難聴を引き起こすことがあります。
- 髄膜炎・睾丸炎: 激しい頭痛を伴う髄膜炎や、将来の不妊の原因にもなりうる睾丸炎を合併することもあります。
③DT(二種混合)ワクチン、DPT(三種混合)ワクチン
ジフテリア(D)と破傷風(T)と百日咳(P)の予防接種です。
DT(二種混合)ワクチンは定期接種で、11歳時にすべての子どもたちに接種を推奨されています。
しかし、このワクチンには百日咳(P)に対する予防効果はありません。
DPT(三種混合)ワクチンは任意接種となるため費用が発生してしまいますが、百日咳(P)の免疫効果は4〜12年で低下するため、百日咳(P)を含むDPT(三種混合)を追加接種することで百日咳感染予防にもつながります。
- ジフテリア
最後に報告されたのが1999年ですが、かつては年間8万人以上の患者が発生し、そのうち10%程度が亡くなっていた病気です。
主に気道の分泌物によってうつり、喉などに感染して毒素を放出します。
この毒素が心臓の筋肉や神経に作用することで、眼球や横隔膜などの麻痺、心不全等を来たします。
5歳以下や40歳以上の年齢の場合は重くなりやすく、最大で20%の方が亡くなってしまうといわれています。
ワクチン接種により、ジフテリアの罹患リスクを95%程度減らすことができると報告されています。
- 破傷風
かかった場合に亡くなる割合が非常に高い病気です。
以前は新生児の発生もみられましたが、近年は30歳以上の成人を中心に患者が発生しています。
主に傷口に菌が入り込んで感染を起こし毒素を通して、さまざまな神経に作用します。
口が開き難い、顎が疲れるといった症状に始まり、歩行や排尿・排便の障害などを経て、最後には全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせたり、息ができなくなったりし、亡くなることもあります。
- 百日せき
名前のとおり激しい咳をともなう病気で、一歳以下の乳児、とくに生後6か月以下の子どもでは亡くなってしまうこともあります。
主に気道の分泌物によってうつり、咳のために乳幼児では呼吸ができなくなってしまいます。
また、窒息や肺炎等の合併症が致命的となることがあります。
百日せきにかかった場合、一般に0.2%(月齢6か月以内の場合は0.6%)のお子さんが亡くなってしまうといわれています。
4.アクアキッズクリニック東池袋院は「土日・祝」も接種可能です
小学校へ行くと、行動範囲が広がり、これまで出会わなかった多くの菌やウイルスに触れることになります。
ワクチンは、お子さまが元気に学び、遊び、友達と過ごすための「目に見えないお守り」です。
もし「何を打てばいいのかわからない」「母子手帳を確認してほしい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽に当院へご相談ください。
共働きのご家庭や、平日は習い事で忙しいお子さまにとって、予防接種のために平日の時間を確保するのは大変なことだと思います。
アクアキッズクリニック東池袋院では、土・日曜日、祝日も予防接種を行っています。
大切なワクチンだからこそ「週末に夫婦揃って説明を聞きながら接種をしたい」という方も多いと思います。
入学前の忙しい時期だからこそ、皆さまのライフスタイルに寄り添った医療を提供したいと考えています。
私たち小児科としてできることは、病気のときだけではなく、病気を未然に防ぐためのお手伝いも重要であると考えます。
予防接種のスケジュールや追加接種の必要性についてご相談がある場合は、お気軽にお問い合わせください。
引用文献
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